タイトル

■■■ 2001年 県内10大ニュースの集計結果 ■■■

「読者が選ぶ―2001県内10大ニュース」の選定に多数のご応募をいただき、ありがとうございました。

第1位 有明海養殖ノリの記録的凶作、諫早湾干拓事業見直しへ
第2位 狂牛病騒ぎ「佐賀牛」に打撃
第3位 国営吉野ヶ里歴史公園開園
第4位 県内雇用情勢が深刻化、企業倒産件数は最悪ペース
第5位 「エスプラッツ」運営の第3セクター「まちづくり佐賀」が経営破たん
第6位 市町村合併論議が活発化
第7位 柿右衛門氏が人間国宝に
第8位 佐工が全国高校ラグビーで準優勝
第9位 県農林事務所課長による「官製談合」発覚、県入札制度見直しへ
第10位 JAS佐賀−大阪便撤退
次点 城原川ダム計画見直し必死に

1位 有明海養殖ノリの記録的凶作、諫早湾干拓事業見直しへ
<写真>「宝の海を返せ」。工事中断と水門開放を求め集まった漁船は300隻にも上った(1月、長崎県諫早湾の閉め切り堤防前)

一月、長崎県・諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の外海に、漁船三百隻が並んだ。「宝の海を返せ」。佐賀など沿岸四県漁民のシュプレヒコールが響いた。
色が黒くならない「色落ち」被害で記録的不作となった昨季の養殖ノリ。販売枚数は十九年ぶりに十億枚の大台を割り、販売額も四年連続日本一の座を逃した。
ノリ不作に端を発した有明海異変。その兆候は以前から指摘されていた。アサリがいなくなり、タイラギも今季で三年連続の休漁に追い込まれた。漁業者は「諫干」の水門が閉じられてから潮の流れが変わったと主張、工事の中断と水門の全面開放を求め抗議行動を繰り広げた。
諫干は、巨大公共事業の是非論も重なり、大きな社会問題に発展。農水省は事業の縮小を打ち出すなど計画見直しを迫られ、早ければ来春にも、水門を開けた調査が行われることになった。
「環境の世紀」と言われる二十一世紀の初めにSOSを発した有明海。再生への取り組みは今、始まったばかりだ。

2位 狂牛病騒ぎ「佐賀牛」に打撃
<写真>加速する「牛肉離れ」に歯止めを掛けようと、佐賀牛の安全をアピールした半額セール(10月、佐賀市本庄町のAコープ城南店)

九月、千葉県から発信された「国内初の狂牛病確認」のニュースは、最高級牛肉「佐賀牛」の産地である県内を直撃した。後手後手に回った国の対応や病名の悪イメージも重なり、消費者の「牛肉離れ」が加速。産地は窮地に追い込まれた。
感染源は今も特定されていない。それどころか発生前、農水省は欧州連合(EU)からの再三にわたる警告を無視していたことも判明。発生後も焼却処分したと発表した感染牛が、感染源とされる肉骨粉にされていたことが分かるなど、消費者の不安をかきけすどころか増幅させた。
国は十月、全頭検査を実施し、「世界一安全な態勢が整った」として農相らが「安全宣言」、牛肉を食べるパフォーマンスを行った。しかし失った信頼は取り戻せず、最需要期の十二月になっても牛肉の価格は低迷、消費回復の気配は薄い。
牛肉の輸入自由化など激化する競争の中で「安心・安全」を旗印に生き残りを図ってきた産地。その屋台骨を揺るがした事件は、まだ終わりが見えない。

3位 国営吉野ヶ里歴史公園開園
<写真>弥生時代のクニを再現した国営吉野ケ里歴史公園。12月までに全国各地から約56万人が訪れた(4月21日)

弥生時代のクニの姿を再現した神埼郡の国営吉野ケ里歴史公園が四月二十一日、開園した。主祭殿や竪穴式住居など大型建物群を復元。古代史ブームに火をつけた巨大な環濠(かんごう)集落が「弥生のテーマパーク」として生まれ変わった。
開園したのは全体計画面積百十七ヘクタールのうち、四十七ヘクタール。北内郭には十一棟の建物群を再現したほか、延長二キロに及ぶ環壕や約八千五百本の城柵(さく)など、魏志倭人伝に記された集落施設を整備した。
オープンから十二月までの入場者は約五十六万人。年間目標の百万人達成は厳しい状況だが、まずまずのスタートを切った。特に修学旅行は千校近くに達し、全国各地の子どもたちが弥生人の暮らしに触れた。
九月には発掘成果に基づき、南内郭西側に交易拠点となった「市場」を復元する方針が決定。北内郭と並ぶ公園のメーン区域として、来年度から整備を進める。

4位 県内雇用情勢が深刻化、企業倒産件数は最悪ペース
<写真>企業倒産が相次ぎ、雇用情勢も深刻化。ハローワークには仕事を求める中高年や若者が殺到した

景気低迷にITの失速、デフレの進展が重なる中で、県内では企業倒産が相次いだ。人員整理やリストラが進み、完全失業率も上昇、雇用不安が広がった。
倒産は一月から十一月末までで百三十六件。過去十年で最も多かった昨年を上回り、最悪のペースで発生した。建設業や小売業が中心で、受注減や価格競争が激化する中、売り上げ不振から収益が悪化した。老舗(しにせ)の閉店も相次ぎ、市街地の求心力低下を招いた。
業績悪化と先行き不透明感の強まりから、人員削減が進み、新卒採用を手控えるケースが目立った。国の十月の完全失業率は5・4%と最悪で、佐賀市であった就職面接会では仕事を失った一般の求職者が殺到。県内高校生の就職内定率も43・2%(十月末時点)で、最悪だった昨年をさらに下回った。不況の出口は依然として見えず、雇用情勢は深刻な事態が続きそうだ。

5位 「エスプラッツ」運営の第3セクター「まちづくり佐賀」が経営破たん
<写真>記者会見で自己破産を明らかにする「まちづくり佐賀」の役員(7月11日、佐賀市のエスプラッツ)

佐賀市の再開発ビル「エスプラッツ」を運営していた第三セクター「まちづくり佐賀」が七月、自己破産に追い込まれた。消費不況の中で経営が行き詰まった格好だが、過大な設備投資に伴う多額の負債も要因で、市街地再開発計画の見通しの甘さや、責任の所在が不明確な第三セクターの問題点を浮き彫りにした。
まちづくり佐賀は九六年に発足。佐賀市はじめ三百近くの地元企業、商業者らが出資し、「官民一体となった中心商店街活性化のモデル」と全国的に注目された。
しかし、バブル崩壊後の厳しい経済状況下、九八年に開業したエスプラッツの売り上げは当初計画を大きく下回り、累積赤字が膨らんだ。加えてビルの床購入のための長期借入金の返済が、経営を圧迫。事態打開のため市に要請した公金投入を断られ、破産した。
エスプラッツは同社破たん後、医薬品販売会社「ミズ」が運営を引き継ぎ、営業を続けている。

6位 市町村合併論議が活発化
<写真>合併機運の盛り上げに県などが4カ所で開いた「市町村合併を考える新世紀フォーラム」(8月21日、佐賀市の市文化会館)

国が具体的な合併支援プランを決定、県も合併推進本部を設置するなど、国や県の強力な推進を受け、市町村合併の論議が活発化した。
佐賀市と佐賀郡南部四町で、民間団体が求めた法定合併協議会の設置は、久保田町議会の否決で白紙となったが、唐津市・東松浦郡は、県の重点支援地域指定され来年六月には法定協議会の設置に動く予定だ。このほか県全域で自治体、議会レベルの議論が本格的に始まった。
地方自治体の効率的な行財政運営への選択肢の一つといえる市町村合併。二十一世紀のわが町をどう描くのか。住民を巻き込んだ論議は来年、佳境に入る。

7位 柿右衛門氏が人間国宝に
<写真>「作家としてこれまでとはひと味違った世界を追究する」と、決意を述べる十四代酒井田柿右衛門氏(有田町の柿右衛門窯)

十四代酒井田柿右衛門氏(67)=西松浦郡有田町=が六月、人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定された。県内では物故者を含め四人となる。日本の色絵磁器の代名詞とも言える存在で、消費不況にあえぐ県内窯業界にとっても、明るいニュースとなった。
柿右衛門様式は、濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の生地に、余白を生かしながら、赤などで鮮やかに上絵付けするのが特長。これまで、約二十カ国で海外展を開くなど、日本の美を海外に発信してきた。
奇しくも色鍋島の陶芸家、十三代今泉今衛門氏が十月、他界した。今泉氏と同様、江戸期から続く有田の名門窯を守るとともに、伝統様式に新たな命を吹き込む陶芸家として、いっそう大きな役割を担っていく。

8位 佐工が全国高校ラグビーで準優勝

<写真>惜しくも優勝は逃したが、堂々の準Vに歓喜する佐賀工フィフティーン(東大阪市の花園ラグビー場)

夢の全国制覇にあと一歩届かなかった。1月の全国高校ラグビー大会で、佐賀工は強力FWを武器に勝ち進み、初の決勝に進出。強豪伏見工(京都)に3|21で涙をのんだが、トライを目指し、ひたむきに前進するフィフティーンの姿が感動を呼んだ。
高校生たちの日々の努力は大舞台で花開く。全国総体新体操で、佐女子が3年ぶりに優勝、涙の女王復活劇を演じた。秋の国体も快挙に沸いた。柔道少年男子で県選抜が強敵を次々となぎ倒し、初の頂点に立った。
春の選抜高校野球には神埼、鳥栖が出場。剣道、ヨット、アーチェリーなども「王国健在」を示す活躍を見せた。

9位 県農林事務所課長による「官製談合」発覚、県入札制度見直しへ
<写真>鹿島農林事務所副所長らがかかわった「官製談合事件」で県庁を家宅捜索する県警捜査員(12月11日)

十月に発覚した鹿島市発注の公共工事をめぐる贈収賄事件は、鹿島農林事務所の贈収賄事件や同事務所副所長が「天の声」を発した「官製談合」事件に発展。公務員三人、業者四人が逮捕された。捜査は来年も継続し、事件は拡大の可能性を見せている。
県議が農林事務所の指名入札について口利きした疑惑も加わり、入札制度をめぐる「政官業」の癒着構造が浮かび上がった。
こうした事態に、県は予定価格の事前公表など透明性の高い入札方法を導入する。鹿島市も予定価格の事前公表や入札結果のインターネット上での公開などの改善策を打ち出した。

10位 JAS佐賀−大阪便撤退
<写真>利用客低迷でJASが運休した佐賀空港(ことし八月、佐賀郡川副町)

日本エアシステム(JAS)が佐賀−大阪便を八月いっぱいで運休した。平均搭乗率が50%台と低迷し、今後も利用増が見込めないと判断した。佐賀空港にとっては九八年七月の開港以来、初めての減便で大きなダメージとなった。
運休により同空港の発着便は全日空(ANA)の東京二便、大阪、名古屋各一便に。残った大阪便は九月から十一月までの平均搭乗率が約71%と10ポイント以上アップした。
東京便は十一月までの平均搭乗率69・3%とまずまずだが、名古屋便は47・5%と低迷が続き、路線維持が精一杯の状況。県は、福岡空港との機能分担で利用者増を図ろうとしている。

次点 城原川ダム計画見直し必死に

城原川ダム(神埼郡脊振村、神埼町)の建設問題で、受益自治体から「水不要」の声が上がり、建設計画の見直しが必至になった。
利水では、最大受益者と予定される佐賀東部水道企業団が三月、「水は不要」と決議。これを受け、県は構成自治体の意見を聴取したが、十一町村が建設費負担の重さを理由に不要と回答した。
井本知事は十一月の定例記者会見で「利水は不要と言わざるを得ない状況になっている」と述べ、利水確保を目的にするのは事実上困難との考えを示した。
今後は「治水」や新たな建設目的として出てきた「不特定用水」の必要性が議論の焦点になる。

■■■ 2000年 県内10大ニュースの当せん者 20名 ■■■

集計結果に近い方から20人を当せん者とさせていただきました。
記念品をお送りします。(敬称略)
三田川町 高柳義信 佐賀市 江島和子 江北町 江頭清隆
千代田町 古賀正春 佐賀市 野田なつ美 江北町 吉谷シヅ子
佐賀市 内山文江 大和町 大島義則 北方町 草野千之
佐賀市 野方修 諸富町 岡本喜代子 鹿島市 橋村清美
佐賀市 納富多美子 三日月町 池田英嗣 唐津市 坂本むつ子
佐賀市 前田房江 小城町 遠田春二 伊万里市 川久保和華
佐賀市 佐々木貞義 小城町 江頭雄一

佐賀新聞ホームページTOPへ ]