現場を行く−福岡県西方沖地震から1カ月−
2005/04/19(火)第24面掲載

 先月20日に発生した福岡県西方沖地震から1カ月。唐津市の離島・神集島では、埋め立てて造成した漁港施設の亀裂が広がるなど、被害がじわりと拡大している。夏に予定している山笠巡行は、山笠の重みに地面が耐えられない可能性があり、中止の検討も。地震に対してもろさを露呈した埋め立て地を歩いた。


■陥没し断面露出

地震で陥没した物揚げ場。アスファルトの断面が露出し、空洞化が確認できる=唐津市の神集島漁港
 近くではアスファルトが30センチほど陥没。地震直後には亀裂だったのが、翌日には陥没し、現在では断面が露出、空洞化がはっきりと確認できるほどに落ち込んでいた。「ここでは液状化現象が起きて、温泉のようにフツフツと音がして砂がわき出た」と高崎区長は振り返る。
 
 岸壁では海と平行して長さ約50メートルの亀裂が走る。地震発生直後は10センチ程度の幅だったのが、徐々に広がり、現在は20センチ近くになった。

 近くの1号突堤では、大きなブロック状のコンクリートが分離、すき間に海水が入り込んでいた。コンクリート内部にあった照明装置のコードもむき出しになっていて、地震の激しさを物語る。

 漁港施設が被害を受けた要因は、その構造にあった。コンクリートは海底の岩盤に埋め込むのではなく、岩盤の上に置く形で作られている。このため、コンクリートの中の土砂が、岩盤とコンクリートのすき間から少しずつ海側に流れ出て空洞化。陥没や亀裂につながったという。

 被害を受けた施設は古いもので約30年が経過しており、老朽化したところに地震が追い打ちをかけた格好となった。


■修復費は900万円

 漁港施設の道路は、島民にとっては生活道路でもある。「亀裂が広がって事故が起きなければいいが」と高崎区長は心配する。7月下旬には、島をあげての山笠が開かれるが、巡行コースは亀裂が見られる上、山笠は重さ八dほどの重量がある。山笠はコースの変更はできず、補修が間に合わなければ中止もあり得るという。
 
 今回の地震では、同市管理の五漁港の埋め立て地を中心に被害が確認された。市は修復費について離島への資材搬入費などを含めて約900万円と試算。だが、市の財政状況は厳しい。「国の補助対象となるものがあれば活用し、補修の必要性を関係課で判断し対処したい」(総務課)としている。(古賀真)