<49>教科教育講座(中)(文化教育学部-4)
「楽しめる体育」研究〜美術の「鑑賞学習」に光〜

福本敏雄 教授 原田奈名子教授 前村 晃 教授 栗山裕至 助教授 中西雪夫
助教授

 保健体育教育学の福本敏雄教授(56)は、体育の授業が競技スポーツに合わせて行われている現状を指摘。ルールや道具を変えて「楽しめる体育」を目指す。バスケットボールのゴールにフラフープを使うことで得点の喜びを多くの子に味わわせるなどの実験成果は、現場で広く活用される。地域社会の集団遊びにも注目、子ども同士でルールを考え楽しむ形式も授業に取り入れたいと考える。

  原田奈名子教授(52)は舞踊教育学が専門。「腰の切れ」など表現に見る体の動きや民俗芸能の体さばきなどを研究する一方、構造・機能から見た身体の動きを考える。間接の動きを意識して生活するだけで加齢による体力低下を緩和できる運動法を探求。体を知り、無理なく動かす「からだほぐし」運動は、全国のスポーツ指導者や高齢者から注目を集める。

 美術、工芸教育の前村晃教授(57)は「美術作品からは時代や社会ごとの情報が読みとれる」と考え、これまで表現優先の美術教育の影で見落とされてきた「鑑賞学習」に光を当てる。ピカソの「ゲルニカ」を見せて子どもに意見を出させるなど、芸術作品の読解を積み重ねて自分なりの解釈や考えを持たせる授業方法を研究する。現場の教師と連携した研究は国内外で評価を受け、普段の授業で実践している小学校もある。

学生の卒業研究について意見を交わす中西雪夫・助教授のゼミ

 美術教育学の栗山裕至・助教授(37)は、造型的な創造活動には作者の独自性とともに、時代や地域を超えた共通表現があることに注目。心理学的な視点に立ち、作品に表現される子どもの心の成長や変化を読みとってカリキュラムづくりに生かそうと試みる。前村教授や現場の教師らと鑑賞学習の共同研究を進めるほか、学童美術の研究やデザイン学習、グラフィック教材の開発にも取り組む。

 家庭科教育学の中西雪夫・助教授(43)は、子どもの衣食住の実態調査をもとに学習内容を考える。「部屋をどう飾りたいか」などの興味・関心の質問から子どもや家族の個性を描き出し、家庭の在り方、つくり方を考えるカリキュラムづくりを目指す。家庭科の男女共修に関する意識調査を進めるとともに、男性の育児休業などについても家庭科の分野から考える。(北島)