「い草の花」 「い草の花」のあらすじがご覧いただけます。
 
梶木洋子さん(神奈川県)


1961年東京都足立区生まれ。女子美術短大卒。フリーライターとしてロック系の音楽雑誌にインタビューやCDレビューを執筆。幼いころから時代劇を好み、学生時代に浮世絵や江戸風俗に興味を持ち、同時に時代小説を読み始める。5年前から創作を始めた。
四回目の応募で大賞をいただき、心底驚くと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。時代小説は書くほどに難しさを思い知らされ、奥深さにひかれてなりません。この小説の主人公は、小心者で不器用な性格の男です。そしてそれはほかならぬ私自身の投影なのかもしれません。これからも丁寧な人物描写を心掛け、創作を続けていきたいと思っています。

「虚空の花」
篠 綾子さん(埼玉県)
 
1971年埼玉県春日部市生まれ。小学生時代から作家志望。東京学芸大では古典文学を専攻。私立高校で国語を教えながら平安・鎌倉時代の歴史小説を執筆している。
初めての応募だったし、信じられない。受賞作は京都で見た歌碑をきっかけに構想。人物像の設定に苦心したが、創作した歌を含め、会話の中で和歌を自然に生かすことができたと思う。さらに研究書を読み、自分の領域を広げたい。


「茶わん屋稼業」
河崎 守和さん(東京都)
1967年山口県宇部市生まれ。山口大人文学部卒。フリーライター。第8回九州さが大衆文学賞の「配流(はいる)」に続き2度目の佳作。東京都杉並区在住。
二度目ながら、ほんとうにうれしい。茶聖・千利休の影で黙々と茶わんを作り続けた一人の職人に光をあてたいと思い筆を執ったが、利休の存在が強烈で、いかに主人公に存在感を与えるかに腐心した。次こそは大賞をとりたい。


「『葉隠』抜き書 切腹な痛かばんた」
木塚 昌宏さん(佐賀市)
1931年生まれ。佐賀高校卒。農業の傍ら執筆活動、新聞投稿を続け、昨年は「人参ごんぼ、豆腐にこんにゃく」で第52回地上文学賞。佐賀市金立町。
手書きで読みにくいのもあってか、過去三回とも一次止まり。今回は肩ひじ張らずに書けたし、内心期するものがあった。テーマは自分を重ねながらの「落ちこぼれ」。書き始めたのは締め切り十日前。次はミステリーで上を狙いますか。

 第十二回九州さが大衆文学賞は、大賞の笹沢左保賞に横浜市の梶木洋子さんの「い草の花」が輝いた。佳作は篠綾子さん(埼玉県春日部市)の「虚空の花」と、河崎守和さん(東京都杉並区)の「茶わん屋稼業」。奨励賞は木塚昌宏さん(佐賀市金立町)の「『葉隠』抜き書 切腹な痛かばんた」が選ばれた。最終選考会では作家の森村誠一、夏樹静子、北方謙三の審査員三氏が、最終候補作五点の筆力や読みごたえ、設定の優劣などを論議した。白熱した選考経過と受賞者の喜びの声、大賞受賞作のあらすじを紹介する。

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 第十二回九州さが大衆文学賞(九州電力、佐賀銀行、ミサワホーム佐賀、佐賀新聞社でつくる同賞委員会主催、県、佐賀市後援)の贈呈式が23日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀であった。時代小説「い草の花」で大賞の笹沢左保賞に輝いた神奈川県横浜市の梶木洋子さん(43)に、中尾清一郎佐賀新聞社社長が、日展会員の陶芸家前田泰昭さん作のつぼと盾、副賞百万円を贈った。
 佳作の篠綾子さん(33・埼玉県春日部市)と河崎守和さん(37・東京都杉並区)には盾と副賞十万円、奨励賞の木塚昌宏さん(73・佐賀市金立町)には盾と副賞五万円が手渡された。
 式には選考委員の作家、夏樹静子さんら約三十人が出席した。夏樹さんは入賞作を一点ずつ詳しく講評し「レベルの高い作品がそろい、難しい審査だった。今後も研さんし、作品を書き続けて」と激励した。受賞者を代表して梶木さんが「賞を励みに緊張感を持ってあきらめず、怠けず創作を続けたい」と謝辞を述べた。


 
 

北村謙三氏紹介 森村誠一氏紹介 夏樹静子氏紹介