【投手力】
黒田、納富の両左腕が県大会5試合のマウンドを守った。初戦の嬉野戦を除いて納富先発、黒田が抑えに回る継投策をとった。
黒田は切れのいい直球、変化球を武器にテンポよく投げ、5試合25回1/3で防御率は0・71。ピンチにも動じない。納富は縦のカーブを巧みに使い、制球力で勝負する。4試合17回2/3を投げ防御率は3・05。ともに力でねじ伏せるタイプではなく、捕手齊藤の配球がカギを握る。
【守備力】
内外野ともに鍛えられ、5試合で失策はわずか1。野中、畑山の二遊間は守備範囲が広く堅い。西山をはじめ外野陣も飛球への判断がよく、長打を与えない。決勝の鳥栖戦で追加点を阻んだ野中の好守など、「守り勝つ野球」に自信を持つ。
【打撃力】
チーム打率は3割7厘。破壊力はないが犠打や盗塁、エンドランを絡めた攻撃は、打率以上の得点力がある。先頭の野中は打率4割7分1厘、5盗塁。嬉野戦では均衡を破る本塁打を放った。つなぎ役に徹している西山は8犠打。中軸の松本、齊藤、千々岩が勝負強い打撃を見せ、1点を積み重ねる。
【総合力】
黒田、納富の投手陣の踏ん張りが勝負の分かれ目になる。県大会でリードを許したのは、初回に逆転された決勝の鳥栖戦だけ。先行逃げ切りを勝ちパターンにしており、先制してリズムをつかみ、投手陣が失点を最小限に抑える展開が理想だ。
攻撃は持ち味の犠打、エンドランを確実に決め、好機を広げたい。苦境を切り開いてきた野中がマークされる分、他の打者が果たす役割は大きくなる。県大会ではスキをつく走塁など試合巧者ぶりを発揮したが、強豪がそろう甲子園で、どれだけ通用するかもポイントになる。
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