第83回全国高校野球選手権大会第7日は14日、甲子園球場で2回戦を行い、第1試合は春夏連続出場の神埼(佐賀)が城東(東東京)に4−2で快勝し、甲子園初勝利を挙げた。
神埼は1点を追う四回一死二塁で、斉藤が左越え本塁打。六回、八回にも1点ずつを加え、逃げ切った。先発の黒田は城東を7安打に抑えて完投。城東は都立校の甲子園初勝利を逃した。
【評】斉藤の一発で神埼が逆転勝ちした。0−1で迎えた四回、内野安打の西山を犠打で送った一死二塁で、斉藤が城東の左横手投げ、小松崎から豪快な左越え2点本塁打を放った。神埼は六、八回にも安打に犠打を絡めて加点した。
城東は毎回のように走者を出した。八回に杉山の適時打で2点差としたが、緩急をつけ、テンポよく投げる神埼の左腕・黒田を崩せなかった。
神埼ナインの合言葉は「春の忘れ物を取りに行く」。この言葉を胸に戦い、選抜大会初戦敗退の悔しさを晴らした。百崎監督は「夢のようです。前半は僕の方がいろいろ失敗したけど、選手が落ち着いていた」と教え子たちに感謝した。
0−1の四回、先頭の西山が自らの判断でバント安打。これが一死二塁からの斉藤の逆転本塁打に結び付く。斉藤は「センター中心で走者を返すことを考えていた」と振り返る。4番打者が大事な場面で本塁打を放つところにチームの成長した姿があった。六、八回には得意の犠打を決め、1点ずつを追加した。
黒田も斉藤の巧みなリードで2失点完投。春は制球を重視するあまり持ち味の大胆さを失ったが、監督と相談して少々の欠点には目をつぶることにした。「気持ちが先走りしたけど、しり上がりに良くなった」と黒田。4四死球は出したが自分らしさを発揮した。
百崎監督は「春以上の力はついている。心配はしていなかった」と選抜大会後のチーム作りに自信を持っていた。3回戦の相手は光星学院。念願だった甲子園での1勝で自信をつけたチームが強豪相手にどう戦うかが、楽しみだ。
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