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内山の162球目だった。桐光学園・船井の打球は右前へ飛んだ。「捕れるかどうか厳しい。でも点を取られたくなかった」。惣田のダイビングキャッチは届かず、白球はグラブの前で跳ねて、フェンスに転がった。延長十三回、「3」がスコアボードに刻まれた。
内山を中心に甲子園をつかんだ。県大会防御率0.63。抜群の安定感を誇ったが、甲子園では無名に近かった。平野監督は「大舞台で目立ちなさい」と、強心臓の2年生エースをマウンドに送りだした。
立ち上がり、球が高めに浮いた。捕手飯田がすかさずマウンドに駆け寄った。ピンチは続いた。二死二塁、4番山田の中前打を田中が好返球で援護した。「バックに助けてもらった」。立ち直るきっかけになった。
二回以降、球の切れがよみがえった。スライダーを武器に7奪三振。数字以上に相手打線は手を焼いた。「こんな大舞台で、こんな素晴らしい投球ができるなんて」。平野監督の期待をも上回った。
九回を「0」でしのいでも、勝利をものにできなかった。延長。疲れが見え始めた。それでも打線の援護を信じ、抑え続けたが、延長十三回、スライダーが甘く入った。
試合後、「悔いはない」と内山は強気に言い切った。投球数169。3時間を超えた真夏の熱投に、甲子園のスタンドは「また帰ってこいよ」。嵐のような拍手が、2年生エースの成長を期待した。
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