第85回全国高校野球選手権記念大会第11日は十九日、兵庫県の阪神甲子園球場で3回戦4試合を行い、県代表の鳥栖商が富山商(富山)を6―3で下し、初のベスト8進出を決めた。県勢としては1960年の鹿島、94年の佐賀商に続き、3度目の快挙となる。
鳥栖商は一回、4番中島正の右前適時打で2点を先制。二回には日高が追加点をたたき出し、流れをつかんだ。五回に同点に追いつかれたが、六回、中島正の中前打を足がかりに一死二、三塁とし、重野の内野安打で勝ち越し。さらに日高がダメ押しの6点目をたたき出した。
エース重野は序盤から直球主体の組み立てで、相手打線に対抗。五回に連打を許し3―3の同点に追いつかれたが、六回以降はカーブを決め球に緩急をつけた投球で1安打に抑え、二試合連続の完投勝利を飾った。
スタンドには生徒やOBら2000人の大応援団が詰めかけ、ベスト8進出を後押しした。準々決勝の組み合わせ抽選会は二十日の第1試合後に行われる。
〈自分たちの野球できた〉
▽鳥栖商・堀江幸弘監督の話 守りからリズムをつくる自分たちの野球ができた。好投手を相手に打線がよく奮起してくれた。重野は浮き球が目立ったが気力でカバーしてくれた。生徒たちの力はすごいと思う。ベスト8なんて夢を見ているようだ。
〈鳥栖商、手堅く6得点〉
▽3回戦
(富山)富山商010020000−3
(佐賀)鳥栖商21000300×−6
相手のスキを見逃さない鳥栖商の堅実な攻めが光った。エース重野は7安打を浴びながら六回以降を無失点。打っても勝ち越し打を含む3安打1打点と奮起した。
鳥栖商は一回裏、制球に苦しむ長江を攻めた。1、2番が連続四球。続く池上の犠打で一死二、三塁とし、4番中島正が外角低めに落ちるカーブを右前へ運び2点を先制。二回には初戦から打撃好調の9番打者・日高の適時打で1点を追加した。
五回表に3―3の同点とされたが、鳥栖商は六回、先頭中島正が中前打で口火を切ると、富山商・長江の暴投に犠打、四球、盗塁などで一死二、三塁。重野が三塁前にファウルぎりぎりの内野安打を放ち、1点を勝ち越した。さらに一死満塁から日高が左前に畳みかけ2点を追加した。
重野は序盤から直球を狙われ、3本の長打を許したが、六回以降は直球と緩いカーブのコンビネーションで追撃をかわした。六回表無死一塁で、重野自ら相手の送りバントを判断よく二塁で刺したほか、守備陣は無失策の堅実なプレーで重野をもりたてた。
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