アルプス席では10年前、初出場で常総学院に11−1と大敗を喫した元野球部のメンバーら10人もグラウンドを見つめた。甲子園という夢の舞台に「舞い上がっていた」と当時の主将木谷泰士さん(27)。気づいた時には、序盤三回で3点ずつを失っていた。
今回、後輩たちの緊張を和らげたくて、宿舎に勝利を祈願したボールや手ぬぐいに手紙をそえて送った。「お前たちは初めてじゃないんだ」。スタンドでは、控えの選手とそろいの手ぬぐいを首にかけ応援した。ピンチには「強気でいけ」「周りを信じて投げろ」と、声を張り上げた。
雪辱はならなかったものの、失点「5」は10年前の半分以下。木谷さんは「自分たちの倍、力をつけたということでしょう。負けたのは悔しいけれど、気持ちを受けついでよく頑張ってくれたと感謝したい」と後輩の奮闘をたたえた。
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